昔はよくギターを弾いていたけれど、仕事や家庭、生活環境の変化で、いつの間にか弾かなくなってしまった。そんな一本が、ケースの中で眠っていませんか。
何年、場合によっては10年以上離れていると、「もう指が動かないだろうな」「コードも忘れてしまった」「また一から練習するのは大変そう」と感じるかもしれません。
再開するときは、昔のように弾けるかを試す前に、楽器の状態を確かめ、好きだった音に少し触れるところから。この記事では、久しぶりにギターを再開するとき、最初に何をすればいいのかを順番に整理します。
1. まずギターの状態を確認する
押し入れやケースから久しぶりにギターを出したら、いきなり弾き始める前に、楽器の状態を確認しましょう。
- 弦にさびや変色、傷みがないか
- ボディにひび割れや、パーツの浮きがないか
- ネックに大きな反りのように見える変化がないか
- ペグが無理なく回るか
- エレキギターの場合、シールドをつないで音が出るか
- ボリュームやトーンを動かしたときの雑音、ジャックの接触不良がないか
弦が古く傷んでいるなら、楽器本体に異常がないことを確認したうえで交換を考えます。対応する弦の種類や交換方法が分からなければ、機種の取扱説明書を確認するか、楽器店に相談しましょう。
割れや浮きがある、ペグが固い、弦高が極端に高く感じるときは、無理にチューニングや調整を進めないでください。ネックの調整や部品の分解を自分だけで判断せず、現状を伝えて点検を頼む方法があります。
久しぶりに弾いて「こんなに弾きにくかったかな」と感じても、すぐに腕が落ちたせいだと考える必要はありません。楽器のコンディションが影響している場合もあります。
手入れや調整の前に確認することは、掃除・弦交換・修理の準備ガイドでも整理しています。こちらは査定前の記事なので、売却のための準備と、再び弾くための整備を分けて読んでください。
2. 最初から基礎練習をやり直さなくていい
「まずクロマチック練習から」「コードを全部覚え直さなければ」と思う人もいるかもしれません。もちろん基礎練習も役立ちますが、再開直後から練習メニューをびっしり組む必要はありません。
まず試してほしいのは、昔よく弾いていた曲を一曲弾いてみることです。イントロだけでも、覚えているコードを二つ鳴らすだけでも構いません。一曲通して弾けなくても大丈夫です。
昔何度も弾いたフレーズなら、「あれ、意外と指が覚えている」という感覚が戻ってくることもあります。思い出せない部分は楽譜やコード譜で確かめ、速いフレーズはテンポを落として試しましょう。
好きな曲を弾く中で「このコードチェンジだけ練習したい」と感じたら、その部分を短く繰り返します。楽しむ時間の中に、必要な基礎練習を少しずつ足していく考え方です。
3. 昔と同じように弾けなくても気にしない
久しぶりにギターを持つと、以前との違いを感じることがあります。
- 指が開きにくい
- チョーキングが安定しない
- ピッキングがぎこちない
- コードチェンジに時間がかかる
- 指先が弦に慣れていない
- 一曲弾くだけで疲れる
昔一時間弾けたからといって、再開初日から一時間練習する必要はありません。まずは5分ほど試し、無理なく弾けるなら10分、15分程度を目安に、自分に合う長さを探してみましょう。
音が出にくいときは、強く握り込む前に、弦を押さえる位置や楽器の状態を見直します。痛みを我慢して続けず、疲れたら休むことも再開のうちです。
比べる相手は、昔の自分でなくていい。今日はコードをひとつ鳴らせた。それくらいの変化を楽しむところから始めましょう。
4. 「練習する」より「毎日少し触る」
再開するときに負担になりやすいのは、最初から大きな目標を作りすぎることです。「毎日一時間」「一か月で10曲」と決めるより、まずは生活の中にギターを弾く時間を置いてみます。
一日5分でもギターを持つ。最初の目標は、それくらいで十分です。
- 夕食後にチューニングして、コードをひとつ鳴らす
- 昔好きだった曲のイントロだけ弾く
- 好きな曲を聴いて、覚えている部分を合わせる
アンプにつながず指の動きを確かめる日があっても構いません。エレキギターの音の出方やノイズを確認したいときは、周囲に配慮した音量でアンプなどにつなぎます。
毎日できなくても、取り返すための長時間練習は必要ありません。次に時間が取れた日に、また短く触ってみましょう。練習時間の合計より、ギターを生活の中にもう一度置くことを大切にします。
5. 今の暮らしに合った練習環境を作る
昔使っていた機材を全部そろえ直す必要はありません。まずは、チューニングをする方法、見たい楽譜、弾く場所を決めるところから始めます。
動画の解説やコード譜を使うなら、自分が弾きたい曲の難しい部分だけ確認すると取りかかりやすくなります。再生速度を変えられるものなら、ゆっくり合わせる方法もあります。
夜に弾きたい場合は、ヘッドホンに対応したアンプなど、手元の機材で使える方法を確認しましょう。ヘッドホンを使っても、弦の生音や床への振動は残るので、時間帯や部屋の使い方にも気を配ります。
新しい機材は、「もう少し静かに練習したい」「この音で弾きたい」といった必要が分かってから考えても遅くありません。再開のための買い物が、始める条件にならないようにしましょう。
6. 手元の一本を残すか迷っているなら
ギターを出してみたものの、「この一本で再開するか」「使わない機材を整理するか」が決まらないこともあります。まず状態を確かめ、弾けるなら短い時間でも触ってから考える方法があります。
思い出、今の暮らし、保管できる場所を整理したいときは、古いギターを残すか迷ったときの考え方も参考にしてください。一度手放すと、同じ一本を取り戻せるとは限りません。
再開する一本を決めて、使わない機材だけ整理する選択もあります。その場合は、買取相場と中古販売価格の違いを確認し、宅配・出張・店頭の費用と手間を比べると、判断に必要な情報を整理できます。売却を急がず、残すものと手放すものを自分のペースで考えましょう。
7. 再開初日にやることは、三つでいい
- ケースを開けて、ギターの状態を確認する。異常が気になれば、弾く前に点検を相談します。
- 弾ける状態なら、チューニングして好きだった曲を少し弾く。イントロやコードひとつだけでも構いません。
- 次に触る時間を、暮らしの中にひとつ決める。「週末の朝に5分」くらいの予定から始めます。
ギターの再開は、必ずしもゼロからのスタートではありません。以前に弾いていた経験が、曲を思い出すきっかけになることもあります。
大切なのは、昔の自分と同じように弾こうとすることより、今の自分に合わせてギターとの付き合い方を作り直すことです。まずはケースを開けて、その一本と、もう一度。
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